「やっぱり、中国だったのね」
街頭で、アナウンサーから、天洋食品が回収した冷凍ギョーザを食べた中国の人々が深刻な健康被害に悩まされているというニュースを聞き、殺虫剤は中国で混入されていたことを知った主婦の言葉である。
中国・天洋食品製造の輸入冷凍ギョーザに殺虫剤=メタミドホスが混入していた。そのギョーザを食べて、めまいや吐き気を起し、中毒症状で入院する人まで出た。自治体に報告されただけでも、490人を超えていたという(共同通信)。今年の1月末前後のことである。
しかし、中国の関係所轄庁は中国での混入の可能性を頭から否定した。そしてご丁寧にも、メタミドホスは冷凍ギョーザの袋の外側からでも浸透すると主張し、日本で混入された可能性を示唆した。
日本は、冷凍ギョーザに混入のメタミドホスの成分に、日本にはない成分が含まれていることを指摘し、日本で混入されたものでないと反論した。
こうして、どこで混入されたか両国の主張は対立したまま、月日は経過していた。
7月に開催された北海道洞爺湖サミットのときの日中首脳会談の席で、中国国内で冷凍ギョーザによる深刻な健康被害のことが話題になったそうである。
それによると、中国の天洋食品は回収した筈のギョーザを市中を流通させ、それを食べた人々が中毒症状を起こしていた。これで殺虫剤メタミドホスの混入は、日本でではなく、中国であったことが明らかになった。だが、日本の一般国民には知らされず、昨日(6日)やっと公表された。どうしてなのか、関係者に理由を聞きたい。
驚くべきことに、新任の野田消費者行政相も昨日まで何も知らなかったそうだ。「実はその情報をけさテレビ・新聞等を通じて得た」と語っていた。
([追記] 本7日夜、高村外務大臣から、「中国側から、殺虫剤混入の冷凍ギョーザの件については、暫く公表しないで欲しい」という要望があったので公表しなかった、と釈明があった。)
中毒事件発生時には、インターネット上で(メタミドホスの混入は日本ではありえないという)日本をボロクソに罵倒する言葉が飛び交っていたが、このたび中国で混入されたことが明白になったことで、北京市民に話を聞いた。すると、「本当?」「政府が認めたのか?」と疑いの目を向けられ、果ては「また外国メディアが大げさに騒いでいる」と、うんざりした顔をされたそうである。
中国の上層部は、ギョーザの殺虫剤が中国で混入されたものであることを大方認めたが、一般民衆は何も知らされていない。むしろ、隠されているように思われる。
一般民衆の知る権利を認めようとしない中国上層部の秘密主義は、中国共産党の本来的体質なのだろう。恐らく今後もしばしば「やっぱり!」と思う場面に、直面することになるだろう。